ビックレー入札

情報処理学会誌 2007年3月号をパラパラと眺めていたら入札に関する面白い記事を見つけた。

普通、入札システムは一番安い入札をしたプレイヤがその金額で落札するわけだけど、ビックレー入札では、一番安い入札をしたプレイヤが落札するのは変わらないが、金額は 2番目に安い入札値となる。これによって原価ギリギリで落札しても利潤を得ることが保証されるので、原価ギリギリの価格を提示するのが最適な戦略となる方式らしい。

一見本当かいな、と思うが実際、キーワード連動広告や広告型検索エンジンの広告料を決定するロジックにこの入札方式が採用されていて実際に入札額が安定するという効果が得られているらしい。非常にシンプルでかつ美しい理論だと思う。

ちなみにこの記事内では 1円入札を防ぐ仕組みも紹介されていて、要はサービスを小分けに調達するから問題なのであって、関連サービスを組み合わせて同時に入札を行えばよいとしている。

例えばコピー機の調達で本体を 1円で落札しておいて保守サービスで利益を出すようなビジネスモデルでは、たいてい保守サービスは平均的な価格より割高になっているはずである。この調達を本体と保守サービスを同時におこなうことで、保守サービスだけなら、もっと安値で落札したいという業者を拾うことができ、したがって本体も 1円で落札する意味がなくなるので、全体的に適切な価格で落札することができるという理論になる。

早くIT業界もこういう仕組みにならないかしらね。少なくとも社会保険庁みたいな桁外れな契約はなくなるだろうし。

他にも色々な入札方式の説明があって興味深く読んだ。入札の世界もいろいろ奥が深いものだと感心してしまった。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください