第1話の感想ではあのようにまとめたものの,正直言って物足りなかったことも事実ではありました。全体的にどこかギクシャクした感じは否めなかったし,ユーモアの切れもいまひとつで,軌道に乗り始めるのは何話くらいからなんだろう,と思いながら第 2話を見始めたわけですが。
…素晴らしいなあ。もう軌道に乗っちゃってるじゃないですか。全然心配することなかったよ。ジョシュを筆頭にそれぞれが個性を存分に発揮してます。特に最高なのは「必ず僕を通し,部長を通すこと」のくだり。どうにかしてマンディーの採用に反対しようとするジョシュのうろたえっぷりも面白いけど,それよりも最後,レオの部屋から出て行ったのに,わざわざ戻ってきて,しかもマーガレットの部屋のほうから入りなおして再度レオに念を押す芸の細かさ。引き気味に俯瞰でとらえたカメラアングルも最高。こういう仕掛けってうまいよなあ,とつくづく思います。
ちなみにタイトルの “POST HOC, ERGO PROPTER HOC”はラテン語で「このあとに,故にこのために」という意味で,時間的に前後関係にある事象を因果関係にあるものとして誤って扱ってしまうという論理学の言葉らしい。
例えば「ココアを飲んだら体調がよくなった!」というのを体調がよくなったのはココアを飲んだせいだと思い込んで,ココアばかり飲みまくる,というような話ですな。たまたま体調がよくなる前にココアを飲んだだけで、ココアを飲んでも飲まなくても,体調がよくなっていたかもしれない。または体調がよくなったのは他のこと(実は漢方薬も飲んでいた,とか)が原因かもしれない。時間的に連続しているからといって必ずしも原因と結果に対応するということではないということ。(ココアを飲んでも無駄,と言っているわけではないですよ。あくまで例)。
- ラッセル上院議員の口ぶりから、ある程度展開は予想できたけど、その予想以上のパフォーマンスをみせてくれるジョシュ。こういう下世話な役回りはぴったり。
- オープニングの BGMはセカンドシーズン以降のものとちょっと違うな。お上品な感じ。
- トビーにクッキーをあげないランディンハムさんもお茶目。まああれはあまりにも見え透いたお世辞を言ったトビーが悪いけど。ランディンハムさん相手に 20台後半はないよなあ(笑)
- モリスの赤ちゃんの写真を見せられたマーガレットの「まぁ」という反応もかわいい。写真をモリスに返して、小走りにレオのあとを追う仕草もかわいいですね。
- CJの会見での受け答えも見事。「含みがあると思いませんか」「不気味?」
- 「プロゴルファーには意外と冗談が通じないんですね。みなさんユニークな服着ているのに」最近はそうでもないみたいだけど、ゴルフウェアの趣味の悪さは日米共通ってことね。
- ドナも本領発揮。「どうかした?」「別に」「本当?」「ああ」「嘘でしょ?」「ああ」「わたし邪魔?」「ああ」ジョシュとのやりとりは本当に楽しそう。
- ホインズの側近のスティーブって、レオにクビにされたバートレットの選挙スタッフに似てるけど、同一人物なのかな。
- 「アンマンです」「そんなとこに行かなくてもワンマンならここにいるじゃないか」ジョークが面白くないうちは健康に心配ありません。さらっと無視するモリスもグッド。
- 「君には過去だけじゃなく、未来もあるんだ」こういう台詞をさらっと言えるバートレットは本当にかっこいいです。
- サムの単刀直入っぷりも面白いですね。「先週、うっかりプロの女性と寝ちゃいました」いきなりこう切り出されて上司としてどう反応しろと。トビーも大変だなあ。
- 唯一、理解できなかったのがサムがローリーに再び会いに行く話。サムの立場を考えればあまりにも軽率な行動だよな。ちょっと人物設定に無理があるような気がする。第3シーズンになってもサムの立ち位置が決まらないのもこの辺に原因があるのかも。