「失敗の本質」がなかなか面白かったので、その姉妹編である本書も読んでみた。
失敗するための原理原則はだいたい見えてきたので、じゃあ成功するための原理原則は何か、ということで
- 毛沢東の反「包囲討伐」戦
- バトル・オブ・ブリテン
- スターリングラードの戦い
- 朝鮮戦争
- 第 4次中東戦争
- ベトナム戦争
を題材に分析を試みている。
個々の事例は非常に面白いのだが、そこから何か共通したものが導き出せたかというと、結論が抽象的すぎてなかなか難しいと思った。昔、会社でプロジェクトの成否について調査・分析した人の話を聞いたことがあって、その人いわく「失敗するプロジェクトには必ず共通点があるが、成功したプロジェクトにそれを見出すのは非常に難しい」という趣旨のことを言っていたのを思い出した。
確かにそれがわかればプロジェクトは全部成功するよな。分からないから自分も日々苦労している訳で。したがって自分にできることは失敗するプロジェクトに共通する条件を満たさないように気をつけるだけになる。
成功するためではなく、失敗しないように仕事を進める。なんだか非常に後ろ向きな姿勢と思えなくもないが。